2006年06月29日 17:26

9日目その2 動くぞ

 29日(木)9:00am現在。どんなに長くても5時間で目が覚めてしまう。文春の松井・人間関係話8段が言っていた。「寝るにも体力がいるよなあ。年取るとすぐ起きちゃう」。名言だ。
 起きたとき、夢を克明に覚えていて、そのストーリーがまた生々しくて、何度も再生できるときが半年に1回くらいある。今朝がそうだった。まだ覚えている。ああ、忘れていくう。私は夢を見ない方だ。夢は訓練で思い出すことができるらしい。そうすると毎日見ているらしい。ふーむ。

 ここの部屋に入ってすぐリモコンでテレビをつけ、INの配線をして、お湯を沸かして煎茶を飲んで、うまいなあ、チャンネルを替えよう、でリモコンがない。その間、たった10分。あのでかいリモコンです。ない。ホントにない。真剣に探すうちに部屋が怖くなったり、「ホントかよ」と声を出している自分に笑ったり。
 去年、東京のホテルで朝、リモコンをなくしたことがある。ホントに見あたらない。チェックアウトで申告するか迷った私は小心者。あとで電話が来たら弁償すればいいや、と黙って出た。そのまま大阪出張だったので東京駅へ。新幹線に乗り、でかいバッグを開けたら奧にリモコンが燦然と輝いていた。
 この光景で「写真のまちがい探し」があるとしたら、リモコンをまず その1にするだろう。

 ロンドンだ。
 リモコンは6時間後のさっき、見つかりました。ご心配おかけしました。バッグの後ろにあった。あそこまでいつ持っていったのだ?

 これから知り合いの出版社を突然訪ねて、昼飯を誘うつもり。場外馬券売り場に行って、どこかの競馬を買うつもり。夕方は提携先の出版社に行って打ち合わせ。どこかの国から電話してきたジミー(ニコリ)はフライト変更になったので、夜に合流。アイルランドに昨日入ったヒゲモジャのトシキと連絡を取り、あさってからの競輪(メジャー開催)を買ってもらう打ち合わせも今日中にしたい。突然の取材が入るかも。
 まだ入るぞ。

#id06060015 | 出張 | posted by 鍜治真起

2006年06月29日 08:37

9日目始まる

 9日目になった。といっても29日(木)の1時。深夜です。さっきロンドンについて肌寒い中を食料や水の買い出しに外へ出てきた。ピカデリーという歌舞伎町のような場所にあるホテルが常宿。スタッフとは顔なじみで再会を喜ぶ。
「水ならあるのに。部屋に行かないであそこで飲みなさい。いつまでいるのだ? 毎日、新聞の数独、やっているぞ」とモアイ(私が名付けた)はスリランカ人。
「今日はスペインから来た。明日の夜、飲もう」と言ったが通じないのは私のせいだけでもない。ロンドンは英語がいちばん通じない街だ。

 昨日は移動日。野口さんにパズル本を50冊くらい預けてマドリーからリスボンへ。3時間のトランジットでロンドンに入った。寝ている以外はビールを飲んでいた。おかげさまでもうろう。いつものことか。万年時差ぼけでもあるし。

 テレビでは「パーティ・ポーカー」をやっている。噂のセブン・ホール・デムである。NYのテレビでもやっていた。見ていて面白い。日本上陸の日は? ないだろうなあ。

 今日から3日間、ロンドンです。

#id06060014 | 出張 | posted by 鍜治真起

2006年06月28日 17:35

8日目 マドリー アディオス

 昨日の昼は「プレアデス」という出版社を表敬訪問。野口さんがあらかじめ探しておいてくれたスペインでいちばんのパズル出版社。これがまた話しているうちにぞくぞくしてくる、ふつふつと興奮していく。心臓が共鳴するとはこういうことか、と思った。私と同じ考えの人がここにいた。
 なんと1942年から続いている出版社で、パズル出版だけではなかった。その変遷の歴史がドラマチックで参った。これは「ニコリ117(だっけ? 9月10日発売)号」に書きたい。帰ったらアンプク(ニコリ)に言ってみよう。社長が編集部も見せてくれて、ニコリ事務所とそっくり。解いている人、盤面をつくっている人、ああ、鉛筆の世界があるよ。ああ、私の机もちょうだい。久しぶりのサイン1回。

 夕方は新聞社の写真撮影。野口さんがコーディネーターになり、選んだ場所はマドリーを見下ろす郊外のスポーツジム。カメラマンはタケト(33才、日本人でグラナダ在住)でいきなりうちとけてありがたい。バール(スタンド・バー)内での撮影となり、被写体の私は「ビール片手にポーズを」をいいことにワンカットごとに飲み干し、お代わり自由(?)のうれしい仕事となる。濃い数独ファンに囲まれて。選手権と違ってノリがいいスペイン人。7月下旬の日本の新聞に載る予定。サイン3回。

 夜はエネイダ、ナチョ、ハビのスペイン代表3バカ・トリオと、ワタシ、ノグチ、タケトの日本代表3バカ・トリオでバスク料理のディナー。あの3人と飲むと倍、盛り上がる。野口さんの通訳がまるで追いつかなくなり、それでも気分の会話が通じているので、みんな勝手にしゃべる。スペインがフランスと戦っている最中なのに、マキ、興味ないよ、と話はあっちへ飛び、こっちへ飛び、笑いすぎて過ぎていく。
 昨日のナチョからのパズルを夜中に解いて、答えを清書した紙を封筒にいれておいた。その封筒をナチョに渡した。なんだか分からずに開けたナチョ、いきなりの大笑い。大声で「マキイッ、パルフェクト」。
店を出たらタケトが「みなさんの写真を撮りましょう」。ありがとう。
 
 真夜中の帰り道。人が誰もいない。大騒ぎがない。スペインは負けたようだ。

#id06060013 | 出張 | posted by 鍜治真起

2006年06月27日 16:44

7日目 マドリー

 おとといは通訳の野口さんと再会。ご家族とセゴビアへ。マドリーからくるまで1時間半。標高1600mの峠を越える。あ、数字とか人名とか曲名とか固有名詞は私の場合、すべてうろ覚えなのでご了承ください。ミモザの黄色&緑のコンビネーション、そよ風にも揺れるラベンダーが道ばたに満開で目を射る。ローマ時代に建設された水道橋は870mも続き、まあ圧巻。しばし呆然。南禅寺の横にあるレンガの水道橋はここの子分か。熊本の村にも水道橋があったよなあ。あ、熊本がうろ覚えのときは「九州」と言っておけばいいのか。そうかそーか。場外馬券売り場のある水道橋は私の予備校の最寄り駅であった。「いもや」の天丼を週3、食べていた。ここはマドリーだ。

 昨日の昼は3月にお世話になったエネイダの会社を表敬訪問。抱き合って、冗談言って。板チョコ柄の数独Tシャツと、まとい柄のチョコ、猪口です、のスモール・ギフトに大喜び。うれしい。プロゴルファー猿に似ているナチョ(推定36才、お笑い芸人)に鉛筆で解くパズル(一発ネタ)を出したら2分で解いた。彼が負けずに自分の知っているパズルを紙に書く。ちきしょー、解けない。ドゥカティ・ハビ(推定32才、ここの社長)が仕事の話。マジメだなあ。そうか、この話で来た私か。
 
 夜は「エルムンド」(スペイン最大の新聞社)のカルロス(33才でマーケティング部長)と再会。レアル・マドリッドのスタジアム内の特設レストランでディナー。禁漁(?)のエビのフライ、モツ煮(?)、牛の肉団子(?)、何もかもうまい。「?」ばかりなのは、うまいから話をちゃんと聞いていない証拠だ。それでも私は自分の興味についてだけしゃべる。
 日本の「その日暮らし」とスペイン語の「ケ・セラ・セラ」との違いをどう思うか、カルロス? 日本人は外国に墓を持つことをしないが、スペイン人はどうか、カルロス?
「マキ、今まで一度も墓のことを考えたことがなかった。明日から友だちに言うよ。ある日本人が初めて私に言ってくれた、おまえの墓はどうするのか、と」

 カルロスはレアル・マドリッド ・スタジアムの年間シートを個人で持っている男。今日、スペインVSフランスのゲームがあるので、昨日の晩の会食になった。ワールドカップ最優先のスケジュールにする彼であった。ギリギリまで連絡が来なかったのであった。初めての子どもがもうすぐ生まれる彼。夜中の1時までつきあってくれてありがとう。
 別れ際にカルロスが「マキ、墓のことは忘れない。おまえは日本人じゃない。ここに墓をつくれ」と言った。グラシアス、また会おう。また飲もう。

#id06060012 | 出張 | posted by 鍜治真起

2006年06月26日 14:50

あ、つながった。

 NYが大雨の土曜日。ニューアーク空港からリスボンへ。6時間50分のフライト。子ども連れの家族が目立つ。赤ちゃんも。観光便ではなく、電車の中のいる生活便のムード。
 ポルトガル航空のA330。ボーイングは「キーン」という音に対し、エアバスは「ウィーン」というカンジ。ガソリンとディーゼルの違いか。なことない。リスボンに着陸したら後ろから拍手が。ああ、懐かしい。10年前、ウルグアイのモンテビデオに着陸したときは全員が拍手してほっとしていた。それ以来だ。
 ランディングのうまいパイロットと下手な奴は確かに分かる。昔、何バウンドもして急ブレーキをかけたパイロットに出会ってその差が分かった。

 リスボンはトランジット、1時間30分。という予定が実際は40分くらいになる。これはやはり短い。たばこが吸えない。外は朝焼けが瞬時に消えた平穏な曇り。ポルトガルの首都は地中海(大西洋?)に流れ出る河口から少し入った河沿いに小さく、あった。

 リスボンからマドリーまでまたポルトガル航空に乗り、1時間10分。A319は推定120人乗りでガラガラ。機内食のデザートに出た洋梨(自信度80%)のワイン煮(自信度30%)がやたらうまい。客室乗務員のおばちゃんは重量オーバーだが、親切なので許してあげた。

 3月以来のマドリー空港は「自分の庭」気分でスタスタ。真夏の太陽、空が真っ青。
 NYからの荷物が出てくるのを待つ間、ヒゲモジャ(にまたなった)のトシキに電話。ちょいと禁断症状だったので。
「宝塚記念、終わった? どうだった、ディープは?」
「ああ、勝ったよ。カジさんは外れたよ」
 トーンが落ちているので、向こうも外れているな。他人も外れているとほっとする。ホントに「幸せは比較級」だ。
「それはいいんだけど、競輪、来週でかいのがあるんだけど買って」
「あ、いいよ。それより今、大井(競馬)やってるけど買う?」
「あ、お願い。4レースから買えるの? じゃあね、ほにゃらかをよろしく」
 荷物、出てこないなあ。人も集まってこない。引き取りカウンターを間違えていた。思いこみはいけません。知ったかぶりもいけません。
 
 ニコリワッペンが付いた荷物だけがベルトコンベアの上をグルグル回っていた。

#id06060011 | 出張 | posted by 鍜治真起

2006年06月26日 13:38

スペインにて。

マドリーのホテルに入りました。例によってあなたはIN、お茶の子でつなげるでしょうが、ああ、どうでもいいんだ、でここまできているわたくしです。
「ウィルスに感染したおそれがあります、すぐにほにゃらか」「このメールは盗み聞きされている可能性があります、ほにゃらか」なんだっけ「メールを読んだらすぐに切って、再度ログインしてくださいほにゃらか」。ああ、なんだか分かんない、OKだの無視してどんどん先へ進んでここまできたぞ。
 私はオドシが大嫌いだ。いかなる脅迫にも屈しないぞ。マイクロソフト(?)には負けない。ブログを書くために、世界平和のために戦うぞ。
 1分10.5円の電話回線で通じたのだが、これって安いの? 高いの? 1日9.45ドルのNYの方が安いのは分かるが、スペインのこのホテルにはそんなサービスないよ、たぶん。でも送るたびに切った方がいいんだろうなあ。つなぎっぱなしはまずいよなあ。

 すぐ続く。

#id06060010 | 出張 | posted by 鍜治真起

2006年06月25日 03:28

カーネギー

 わあっ、つながったあ。ここまでくるのに半日かかった私はパソコン・オンチ。インターネット、部屋でつなぎっぱなし(1日9.45ドル)にしたつもりが何をしたのか、開かずの踏み切り。ああ、チェック・アウトだよ。

 おとといは鳩子と20年ぶりの再会。2人とも20年前のことを覚えていないのだが。彼女はボストンの大学院をこの5月に卒業し、大阪の会社に就職する8月までこっちでふらふらしていると言う。「おじさん、カジ家の親戚ってみんな縁が遠いよね」「えっ、オレだけじゃなかったのか。それはよかった」

 昨日はニューヨーク・タイムズのパズル編集長、ウィル・ショーツに初めて会った。ラジオ、テレビの取材につきあい、彼の自宅におじゃました。
 取材内容は「WORD PLAY」という、クロスワードの歴史をたどるドキュメンタリー映画が公開されるその宣伝(彼がディレクターらしい)という。新聞のレビューでは四つ星が最高評価で3個半。相当評価は高いらしい。へええ。
 彼の自宅のコレクションは素晴らしいものだった。20世紀初頭に活躍したサム・ロイドのパズル・グッズがまあ、驚きの量。まさか夢にも思わなかったサム・ロイドの実物にさわれるとは。ここんとこは「数独通信VOL.2」(8月10日発売)に書きます。
 あまりの興奮に私は泣きそうになっていた。

 夜はずっとつきあってくれたヒロ&ピアノ線(私がつけたニックネーム)夫妻と「カーネギー・クラブ」でジャズのライブを聴きながら葉巻、カクテル。最高のNYだ。ジャズが似合う。夜中に鳩子が合流。鳩子はカーネギー・ホールでのジャズ・コンサートに行ってきたのだった。
 おとといの晩の2人の会話。「おじさん、行く? なんかこの前は不協和音の前衛だったけど」「ジャズは飲みながらだろ、格調高いのは勘弁」「そうだよね、私も誰が出るのか知らないし」。
 合流した鳩子が持っていた、コンサートのパンフレットを見て私はアタマが瞬間、真っ白。ハービー・ハンコック。ええっ。なにい? ロン・カーター、ジャック・デジョネット。ちょっと待ってよお。ええっ。マーカス・ミラー。はあっ? ああ、泣きたくなってきた。ウェイン・ショーター、デイブ・ホーランド。ああ。脱水症状。アタマがぐるんぐるん。
 鳩子、キミは良い子だ。

 ニューヨークはこわい。本物がいる。

#id06060009 | 出張 | posted by 鍜治真起

2006年06月22日 20:26

イン・ザ・ミッドナイト・シアター

 タイトルはソウルの貴公子、ウィルソン・ピケットのナンバー。さっきTVで流れていた。昨日の夕方は路上のバンドが「マイ・ガール」をやっていた。久しぶりのニューヨーク。ソウルはいい。「ホールド・オン アイム・カミン」。サム&デイブのナンバーでは、人だかりのほとんどが踊り出した。いいなあ。
 今回のJFK空港ではミスなし。ちゃんと迎えのタクシーに乗れました。前回は探せなくて白タクに乗って、ぼられてしまった。今回の運転手はロバーツ、43才。長男は17才、長女が11才で次男が7才。ロシアから17年前に来たという。
 オレの年? あててみ。「ゲス・ミー」「45」「サンキュウ、54」「オウ、トゥヤング」
 ホテルでロバーツに待っててもらって、チェック・イン。仕事先のコンベンション・センターへ行く途中の路上でコーラを2本買って1本渡したら、ホテルからセンターまでをタダにしてくれた。サンキュウ、ロバーツ、死ぬまでにまた会おう。

 ニューヨークはいつも変わらない。いつも工事中、人のアタマも工事中、私のアタマも工事しに来たよ。今日からしばらく、海外特派員報告です。お楽しみに。(続く)

#id06060008 | 出張 | posted by 鍜治真起