2008年07月28日 18:53

馬車道。

 バシャミチ。いい語感だ。
 浅草にあるのは馬道(うまみち)。馬道通りから言問(こととい)通りを越えたところには、富士山を祀ったお寺がある。

 先週の水曜日は数年ぶりに横浜、伊勢佐木町へ行った。羽衣町で天ぷらを食べ、関内のショットバーでだらだら。どうやって帰ったのか。

 木曜日は銀座の場末のスナック「曜」で、ジュネーブから戻ってきたマック木下夫妻と飲んだ。ロンドンで知り合ったヒデ夫妻とも会えて、元気そうでよかった。マックとヒデはロンドンでの野球仲間。あちらで彼等のチームは相当強いらしい。ま、そうだろう、イギリスに野球チームはないからな。あ、失礼。16チームくらいあるのだったか。

 ヒデのかみさん、かおりちゃんは大の「週刊文春」ファン。中学校からの愛読者で、ということはもう、15年以上のファンだぞ。ロンドンにいたときは北海道に住むおじいさんが送ってくれていたそうで、目次を見ているだけで1日が過ぎたという。
 個人的に好きな作家(コラムニスト)ができると、必ず「週刊文春」が連載を始めてくれるの、と言う。へええ。
 「じゃあ、キミ、これからブン・シュンコ(文春子)にしよう。いい?」
 「ありがと、いいよ」
 「で、シュンコちゃん、何がいちばん好きなの?」
 「あのね、聞いてくれます? 端から端まで。フォントっていうの? タイトルの書体も何もかも。読者のページも、もちろん『てこずるパズル』も。あれはね、推理パズルが好き。『淑女の雑誌から』のあのダジャレをさ、いい大人が考えているかと思うとうれしくなってしまう。あのパブリシティっていうの? 宣伝記事は許せんわ。ページがもったいない」(熱い語り、続きすぎ、後略)
 週刊文春おたく選手権があったとしたら、間違いなく彼女は決勝に残るだろう。


 金曜日は大阪出張だった。泊まらずに夜の11時頃、伊勢佐木町に着いた。見回して、最初に目に入ったホテルの看板を見て、電話してチェックイン。馬車道のホテルだった。近くのバーで2杯。寝た。

 土曜日は伊勢佐木町で競馬をして、仕事をして、ユーリンドーのイチローと飲み歩いた。馬車道のバー、野毛(のげ)のバー、ソファのあるバー、川沿いのバー。最後は何を飲んでいたのか。他にやることがない2人。そんな時間だ。

 22才の頃、野毛で立ちん坊をしていた。工事現場に行ったり、溶接工をやったり、毎日クルマで現場まで行く。終わると野毛までクルマで帰ってきて解散。おやじたちは日当だった。私は週払いだったので、土曜の昼に野毛の喫茶店に行き、コーヒーは飲まず、封筒だけもらって、反対側の場外馬券売り場に行った。動物園がその上にあった。桜木町のパチンコ屋にも入り浸っていた。

 知らない町ではなかった。大昔にほっつき歩いた町だから、気分が昂揚していたのだろう、酒がうまい。
 桜木町、伊勢佐木町、野毛、福富町、当時の面影を探すのは野暮なことだ。イチローと飲んでいればそれでいい。建物は今が書き割りか、昔が書き割りか。道路が硬い。昔の道は柔らかかった。コールタール臭かった。じいさん、ばあさんは下着姿で頑固だった。いろいろ教わった。
 思い出そうとするとアタマが痛くなる。飲もう。飲んで忘れて寝よう。


 有隣堂・伊勢佐木町本店での「ニコリフェア」は明日までだったか、明後日までだったか。来てくれた人たち、ありがとう。私は飲んでいました。

#id08070011 | 出張 | posted by 鍜治真起

2008年07月22日 16:51

失くす。

 買っては失くし、買っては失くしの人生だ。
 老眼鏡はここ5年で20コ以上、買ったか。そんで今の在庫(?)はたったの3コ。
 「カジさん、高いのを1コ買った方が絶対いいですよ。高いと失くさないから」と他人は言う。そうかなあ。なんか自信がないの。失くさない自信が。

 先週、またSuicaを失くした。チクショー、でまた買った。これで5枚目か。そしたら昨日、クルマの床からいつぞやのSuicaが出てきたよ。
 「いつぞや」というのは、老眼鏡と違って、Suicaは1種類のデザインなので、1枚目のものか、3枚目のものか分からない。Suica屋さん、デザインを豊富にしてくれれば、最初に買ったやつか、先週まで使っていたやつか分かるので、そうしてくれませんか。
 「モノには思い出」があるのです。1枚目なら、「ああ、よく出てきてくれたなあ、よしよし、今まで済まなかった」と拭いてあげるし、2枚目なら、「おおう、キミは大阪で失くしたんだったよね。そうか、このジャケットの裏ポケットにいれていたのだったか、よしよし」とお好み焼きも食べたくなる。

 昨日は「つ多」のコンペで、過去最大の20組、76人のゴルフだった。私は万年幹事で、楽しかった。ハンディに恵まれ9位だった。
 今回は土浦に前泊し、前夜祭も盛り上がり、久しぶりの準備万端ゴルフだったのに、当日の朝、ゴルフシューズがない。
 そんなことはないだろ? 土浦に行く前にイエの下駄箱で見たぞ、うん。
 結果は「見ただけ」なのであった。見て安心し、持って出なかったのであった。ああ。

 旧知の仲間、久しぶりの人とゴルフだけで集まり、散っていく。ゴルフ場に来てくれるだけでありがたい。背中が元気ならそれでいい。


 夏バテに気をつけて。私の辞書に「バテる」はない。今週は大阪1往復かも。

#id08070010 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2008年07月18日 18:54

名刺。

 私はふだん、名刺を持たない。外国では持ち歩く。
 名刺は日本が誇る文化の一つだが、たどると中国までいくらしい。欧米人にビジネスカードとして広まったのはいつくらいのことなのだろうか。
 アメリカでのミーティングで、彼等がトランプを配るように各人に投げてきたときは驚いた。なにそれ? である。
 立っていて初対面の場合、外人とは、えらい方が握手を求めるまで私からは求めない。カンペキにえらい方には私は名刺を出さない。どうやらそれがマナーらしい。分からんけど、場数で身についてしまった。
 ちっちゃなことだけれど、外国に行くとなるべく大声でしゃべる自分になっていることに気付く。


 日本の書店で外人がラッピングしてある本をひっちゃぶいて、レジに持ってきました。レジではコードがないので、時間がかかります。
 さて、そのとき「外人さんよ、日本のルールに従ってね」と言えるだろうか。

 移民(移住)も含めて、外国は日本よりはるかに異国人交流があるので、ルール、マナーの違いをうまくこなしている。
 ビルのドアを開けたら必ず後ろから来る人のために、手を生理的に離さない。
 すれ違うときにも、譲る余裕がある。
 山ほどある文化の違い。

 それでいて日本には、無防備とも思える「親切」がある。
 「よかれ」から入る日本。「最初から距離をもって」入る外国。
 ま、外国っていうくくりも大雑把過ぎますけれど。


 どこかで書いたが、私はいっとき、ホテルやゴルフ場でのチェックインのとき、名前をカタカナで書いていた時期があった。漢字で書かない。
 あるアジア人とチェックインしたとき、彼がカタカナを書いて通ったので、あ、それもいいな、と真似したのだった。少し外人気取りなのであった。私もそれで通った。


 暮らしも遊びです。毎日が五感を全開放する訓練。
 これから地方小出版流通センターの川上さんたちと暑気払いです。

#id08070009 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2008年07月16日 20:37

自転車に乗って。

 「自転車に乗って」は高田渡の唄。今でも1年に3、4回カラオケで歌う。知らずに口ずさんでいるのは1年に10回くらいか。

 ニコリでは5、6人が自転車通勤で、1階の車庫の奥に止めておくので、私はクルマを入れるときに神経を使う。
 車庫をシェア(?)しているわけだが、私より社員の方が強いので、ときどき「社長、もうちょっと柱とクルマの間を空けて止めてください」と言われる。
 私は「ハイ、分かりました」と言う。
 一度バックで入れていて自転車にぶつかり(触わり)、自転車が将棋倒しになったが、おテントさましか知らない。


 ここ1週間の印象的な生きもの。

 カンカン照りの真っ昼間、多摩川競艇に行き、ふと府中郷土の森博物館のとなりの池の「大賀ハス」が見頃、というので、競艇場からそこまで歩いた。照りつける太陽でアタマはくらくら、汗びっしょり、なんで歩いているのか。何をしているのか。意識朦朧、倒れそう。
 大賀ハスは、植物学者の大賀博士が2000年前のハスの種を発見し、開花させた貴重な蓮。世界的にも有名である。
 そうなのです。真っ昼間はハスも暑いので、花びらを閉じていたのでした。
 今度は自転車に乗って、朝の8時頃までが見頃だというので、6時頃行ってやるぞ。


 ハクセキレイが早走りしていた。そのときはとんがったクチバシを開けているのですね。


 カラスが交差点の信号機の上に留まっていて、ツツツッと、横に歩いた。人間の気がした。御徒町の交差点で。


 猛暑のある日、大木の下に蟻塚を見つけた。小穴がいくつもあり、蟻がうろちょろ。塚がひからびていたので、水を口に含み、ブワッとぶっかけた。何百匹(?)もの蟻が出てきて、走り回った。ごめん、蟻も黒いから暑いと思って。


 蜂が交尾しながら飛んでいた。お尻をくっつけているのだが、飛んでいる前の方にいるのは雄だろうか。ラクしているのは雌なのだろうか。


 ♪自転車に乗って おうちへかえろう
 
 実際はこれから「つ多」に行って、来週のコンペの打ち合わせだ。明日来客の方とはアフリカのことを考える。明後日来客の方とは出版流通のことを考える。週末は家のことを考える。

#id08070008 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2008年07月11日 19:19

縦書き。

 先月のニュース。
 「シドニーで公判中に、複数の陪審員が数独をやっていたのを、被告に見つかり、公判中止、やり直し。1年間の公判がムダになった」
 被告は陪審員がメモを取っていたと思ったが、タテに筆記用具を動かしているので、不審に思い、上記が発覚したらしい。へええ。

 アラビア語だったかは、右から左に横書きする。右利きの人はうまく書くよ。
 日本語は横書きも縦書きもできるからユニーク。

 先日、川崎辺りをクルマで通過中、赤信号で止まっているとき、ふと横を見たら、商用車のボディの文字が新鮮だった。
 右ハンドル側のボディには、運転手方面から(右から左に)横に文字が書かれていて、ま、これはよくあること。
 日本語の、どっちからも書ける不思議な歴史。
 そこには私市商店、と書かれていて、ふりがなが「私市」の上に「きさいち」と振ってあった。
 ポン。
 そうなのです。
 パッと目に入ったのは、店商市私、であり、ふりがなが「ちいさき」だったのです。
 その日一日、ほのかに楽しかった。
 おしまい。


 明日、明後日は京王閣(自宅から多摩川の土手を歩いて15分の競輪場)に行って、大物新人、鈴木雄一朗のずば抜けた走りを見させてもらうか。
 競輪学校の在校成績1位。そんで所属は我が京王閣。うれしくてたまらない。日大時代からこのバンクで練習していたらしい。
 地元に全国区(になる)のレーサーがいると、賭けの興味とは違う楽しさが付加されて、純粋に力が入る。サッカーや相撲の「地元意識」の応援と同じだ。
 鈴木君、キミの出世街道の履歴に付き合うぞ。ああ、うずうずする。
 彼のピークは何年後なのだろう。30年後もペダルを踏んでいるのだろうか。どんな競輪人生、競輪ドラマが待っているのだろうか。ああ、もう泣けてしまう。

#id08070007 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2008年07月09日 15:47

写真2。

 写真が生まれて百数十年になるのだろうか。私は写真をほとんど撮らない。思いつきで撮るときは、風景に色が面白いとき、工事現場、あと九九のナンバープレートくらいか。上記の翻訳、省略です、勘弁。

 キャパの写真は動いているカンジ。戦地でこちらを見ている子どもたちの眼はキラキラ、あっちこっち瞳孔が動いている。
 マン・レイの写真は「生」の反対側を見せてくれるムード。といって「死」ではない。水たまりとか、路地の地面だけ、の写真が好きだ。

 最初に好きになった写真家はアラーキー(荒木経維)だ。今も1年に1回くらい、彼の本を引っ張り出してきて、見る。というか、読む。「洋子」という写真集は私小説でひたすら暖かい。ぬくもる。
 森山大道は五感をばらばらにしてくれるカンジで参る。
 木村伊兵衛の、焼け跡(東京下町)に煙突がスクッと空に伸びている写真が好き。本郷界隈の裏道の変則十字路(五差路?)の光景の写真が好き。
 失礼、思いつきで書いています。明日はまた変わるかも。
 夢枕獏の植物の接写が好き。


 先週の印象的な会話2題。

 ある日の朝6時頃、タクシー会社(営業所)の前で。
 これから出ていく運転手さんに向かって、仕事を終えて帰る運転手さんが一言。
 「気をつけて飛ばしなよ」

 ある日の夜8時過ぎ、吉祥寺の果物屋さんで。
 「いらっしゃーいらっしゃーいらっしゃーい」と威勢のいいおじいちゃんに、客のおばあちゃんが夏みかんの袋(4個入り)を指さして、「これ甘いのかい?」。
 「あー甘い甘い、今日いちばん甘いよ」
 「重くないかね?」
 「あー重いなあ、持って帰れねえなあ」


 今日は水曜日か。このあたりになると何曜日か分からなくなる。

#id08070006 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2008年07月07日 18:40

写真1。

 先週のいつだったか、広さん(ヤクザな写真家)と偶然、四谷の「こっくている」で会い、一緒に飲んだ。セイウチ師匠(ヘラブナの)と3人になって。
 2人ともこの店は長い。広さんは40年近く1人でここで飲んでいると言う。

 先月、私がマドリーのソフィア美術館に行って、キャパとマン・レイの部屋に感動した話を言ったら、そのまま2時間近く写真の話で盛り上がった。

 私はデジカメを買いたいと思ってから2年が経つ。はやく買えばいいのにね。なぜか使い捨てカメラ(正確には『レンズ付きフィルム』)を持ち歩いている。その方が高く付くので、はやくデジカメ、買えばいいのにね。

 あ、会議です。今週はどこにも行かないはず。

#id08070005 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2008年07月04日 18:42

タチアオイ。

 タイアオイが照りつける太陽に向かって、タテにトントントン、と花を咲かせていて力強い。ゼニアオイはくしゃくしゃな花びらで、これも夏に美しい。ここ数年、夏にはタチアオイがいちばん好きだ。
 まだ東京は梅雨なのか。今日も束の間の夏日。

 ミャンマーをご一緒した中井さんから手紙が着いた。差し出し場所は彼の会社がある松戸から。手紙にはミャンマーに行ったことが書いてある。
 あのときのミャンマー、ヤンゴン(首都)は暑かったなあ。ハンパじゃなかったよ。
 
 私がミャンマーから絵葉書を送った。自宅、西国分寺の「花子茶屋」、湯島の「つ多」などに。
 いつまで経っても着かない。
 通訳のミンさんに、帰る空港で絵葉書を渡して頼んだのだが、切手を貼らなかったからなあ。切手代もバタバタしていて渡さなかったからなあ。
 どこかに出張しているときに西国分寺のアニキ(大将)から電話があった。
 「どこにいんだよ?」
 「関西」
 「あ、そーか。着いたぞ」
 「え? 何が?」
 「ミャンマーからのおまえの絵葉書だよ」
 「ホントに?」
 ミンさんに渡してから5カ月後のことだった。


 ニコリには毎月千通ほどの読者からの郵便が来る。全国から来る。数カ月前はインドからも来た。みなさん、きちんと到着していますよ。

 ポストにいれてくれたその地を思うと楽しい。「想像旅行」だ。

 来週は手紙を50通くらい書くことになるか。

#id08070004 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起