2009年06月26日 19:38

おたまじゃくし。

 東京周辺の田んぼは、苗を植えてまだ日が浅く、水を張ったその苗の間を無数のおたまじゃくしが、ちょろちょろ活発に泳いでいる。
 晴れた今日、泳ぐおたまじゃくしの影は水の底に映り、本人と影がまるでシンクロナイズドスイミングのデュエットのよう。

 この夏もタチアオイは赤、白、ピンクとバラエティに富んだ花を咲かせ、空に伸びている。2m以上のものもあって、大したもんだ。花屋さんで売っていないのが悔しい。


 この火曜日は、ミシェル・マルノさんにニコリ会議室で講演をしてもらった。
 彼女はニューヨークタイムズに自作のクロスワードを発表したり、クロスワードの歴史を綴った著作もある人。
 非常に分かりやすい英語のスピーチで、社員のみんなが頷いて聴くことができた。


 昨日は横浜、馬車道の「上町63」という、ジャズのライブハウスへ。
 初来日のマグナスのピアノは圧巻だった。20才のデンマーク人。音が多く、力強く、夜のライブだったが、昼間のジャズであった。東欧のジャズも良いなあ。
 ピーター(デンマーク人)のベースが歌っているようで楽しい。
 池長一美さんのドラムスも反応して突き抜けていた。彼も数独のファンでよかった。
突然の3人ユニットは弾けていたよ。

 このコンサートをプロモートしたのは葉子さん。正体不明。私とは主婦として30年の付き合い。(ヘンな文章かも)
 彼女はプロモーションなど、ずぶの素人で、マグナスを自腹で呼んでしまった。ある日あるとき、コペンハーゲンでライブを聴いて、いっぺんに惚れてしまったらしい。おかしな人だ。こういう人がいるから世の中、面白い。
 明後日の日曜日は、立川の「ジェシー・ジェームス」でラスト・ライブ。
 息が合った3人の、格闘技のようなステージがまた聴けるかと思うとわくわく。 

#id09060007 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2009年06月23日 19:03

ウィンブルドン。

 ここ7、8年、毎年イギリスに行っている。
 数独が流行る(2005年)前はロンドンの丸ちゃんを訪ね、彼がいろんな町、村、城をクルマで案内してくれた。私はヒマだった。
 丸ちゃんは私の一つ年上。ロンドンで出版社を起ち上げ、もう20年以上になる。
 15年前、シカゴのブックフェアで知り合った。

 あるときの朝、ロンドンの私のホテルまで迎えに来てくれた。
 クルマが煙を吐いていた。
 「なんか調子が悪いんだよなあ」と言って、ホテルマンに水をもらい、給水して走った。 
 「オレ、ボンネットを開けたことがないんだよなあ」
 「丸ちゃん、オレもそうだよ」

 その次の年だったか。助手席のドアを開けたら、内側のドアパネルがなかった。
 「修理に出すの、めんどくさくてさあ」
 
 またその次の年だったか。窓ガラスが1枚、なかった。
 「事務所の前に停めておいたら、割られちゃってさあ」

 今は世界一ぼろいレンジローバーだ。

 あるとき、2人でゴルフをした。草原のゴルフ場で、プレイヤーは数組。セルフで、バッグカートを引いて回る。
 ラフに入ったボールは見つからない。どんどんボールがなくなる。
 7番ホールが終わり、すぐ横のティグラウンドから1打目を打った。2人ともナイスショット。
 ふと見たら、ここは13番ホールのティグラウンドだった。
 2人で走って、フェアウェイにあるボールを取りに行き、戻って8番ホールに行った。
 12番ホールから上がってきた老夫婦が笑っていた。
 2人でボール1ダースを持って出ていったが、16番ホールの途中でボール全部を使い切り、17番、18番は2人で散歩。何しに来たのか。
 青空の中を歩きながら丸ちゃんが言った。
 「カジさんよお。木ってさあ、引力に逆らって上へ上へ伸びていくだろ。あいつらって、見た目よりすごい力を使ってるぜ」
 「そうだなあ。オレたちなら横へ横へ伸びるだろうなあ」

 夕方、丸ちゃんの住むウィンブルドンへ。閑静な住宅街。人通りがない。
 テニスコート場の近くに来たら、道のガードレールに、ビニールのでかいゴミ袋が20mおきに、つり下げられていた。その数、100以上。
 「来週から全英オープンだからさ。歩道に人があふれちゃうんだよ。どこか、他でやってほしいよなあ」
 んっ?

#id09060006 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2009年06月18日 14:49

びわこ

 今日から、びわこ競輪場で高松宮杯(競輪・G1)が始まっている。東日本のトップレーサー50人強、西日本の精鋭50人強の区分けで、4日間にわたって、チャンピオンを決める。地域ごとの選手の絆がはっきりと出るので、見ていて面白い。
 若者レーサーが、自分の名前を売るのに必死なレース展開になるので、私の好きなG1のひとつ。

 びわこ競輪場は大津にあり、景色が広くていい。気分がいい。
近くにびわこ競艇場もあり、タクシーの運転手さんは、競輪派と競艇派、そのどっちでも派がいて、端的に面白さの違いを語ってくれるのも勉強になる。
 ギャンブルを楽しんでいることが分かる。
 最終的には、選手への愛情がある。
 運転手さんのギャンブル歴は、歳時記につながっていく。
 「あのときのあの選手は強かったなあ」と運転手さん。
 「へええ、そうなんですかあ。知らないなあ」
 「あいつが優勝した年に結婚したんですよ」と運転手さん。
 「えっ? 運転手さん、ちょっと待って。そんなお年なんですかあ」
 「お客さん、東京からかね」
 大津駅と競輪場はタクシーがつなぐ距離。このワンクッションがいい。会話も楽しい。


 大昔、ニコリからクロスワード専門誌「クロスビー」を出していたとき、表紙の絵とデザインを、京都の山本羅介さんにお願いしていた。
 彼は京都の瓦屋根を、切り絵で描いていた。
 その作品を東京で見て、一目惚れして、京都まで行ったのだった。
 今、羅介さんはびわこ沿いの堅田に住んでいる。
 10回以上、彼の自宅におじゃましているか。
 行くといつもそのあと、京都のお寺に連れて行ってくれて、禅問答をしてくれる。
 私は帰りの新幹線で、アタマがマッサージを受けた感覚になる。ほかほかしてくる。

 びわこに行ってくるか。羅介さんに無駄話を聞いてもらってこようか。

#id09060005 | ギャンブル | posted by 鍜治真起

2009年06月16日 19:42

暖かい死。

 ドクダミの葉っぱを、山盛りちぎってテーブルにおいた。その匂いは臭いほどで、子どもの頃の遊び場を思い出す。
 ドクダミの白い花は、かみさんが五つの一輪挿しに挿している。着飾ったムード。

 先週末、牧師のタムちゃん(私の8才年上)と神田の「まつや」で飲んだ。30年来の付き合いで、私の何もかもを知っている。
 「キミの文章、どこに書いているのもみんな読んでいるけどよお」
 2人でぬる燗、10本くらい空けて、いい気持ち。つまみがうまい。
 「茅ヶ崎に帰っているとか、プライベートで忙しいとか、あるけどさあ。みんな読んでいる人は分かっていると思うよ。ご両親の死についてはっきり書いた方がいいと思うよ。オレは読みたいんだよなあ、キミが死についてどう思っているか」
 いつも直球でしゃべるタムちゃんだ。
 「ハイ、それは分かります。でもさあ、なんか死とか政治とか経済とか、書きたくないんだよねえ。オレのジャンルじゃない気がして」
 「うん、そうだよ。でもな。キミのはだらだら書いているけど、政治に対しても経済に対してもキミのスタンスがもう、はっきり出ていると思うよ。言ってないつもりのようだけど」
 「まあねえ。今はなんか事務的なことが多くて、流されて精一杯なんですよ。アタマが整理できてないカンジかなあ」
 「いいんだよ。いつも整理なんかしてないんだから」
 「そりゃそうだ」


 4月の中旬まで親父とおふくろは元気でピンピンしていた。2人とも82才。おふくろはお茶と英会話を習い、旅行もしていた。親父は絵を描き、スケッチをしに出歩いていた。

 4月21日。おふくろが脳梗塞で倒れ、意識不明になった。(今も)
 親父はおふくろの葬式の準備を始め、自分はヘルニアの手術のため、4月末に入院した。そしたら前検査で末期ガンであることを知らされ(私たちだけ)、余命1カ月の宣告。
 ヘルニアの手術は成功したが退院できず。本人もうすうす自分の病状が分かる。
 親父に胃ガンであることは伝え、退院しよう、と言った。

 2人とも同じ病院の、50m離れた部屋にいて。
 2人のカラダに私から触ったのは40年ぶりか。
 毎日のように2人の腕や足をさすったり、相手をして。親父の上半身はみるみる細くなり、下半身はみるみるむくんでいき。おふくろは元気に息をするだけ。

 親父の方が先に死んだ。5月21日に。
 遺言も書き置きもなく。
 2人の銀行のカードの暗証番号も分からぬままに。交友録も分からぬままに。
 親父は最期まで私にも看護師にも甘えなかった。


 1カ月以上、ずっと身近に付きあわせてくれてありがたかった。
 2人のカラダのぬくもりを、私はこれでもかと思うほど身につけた。30数年間、1年に3、4回しか会わない関係だったから。

 私にとって、死は暖かいもの。死はピリオドではない。自分のちっぽけな感情など入る余地のないもの。
 2人から教わった。

#id09060004 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2009年06月10日 19:23

胃カメラ。

 先週の金曜日は胃カメラを飲んだ。健康診断での判定が「要再検」と出たので、おとなしく従ったのだった。
 管を口からいれて、フツーの内視鏡、次に拡大内視鏡、次に超音波をやりましょう、と先生に言われたと思う、たぶん。1時間半くらいかかった。

 私は人生で胃カメラを10回以上経験しているから、喉を通すコツも分かっている。昔の管はホントに太かった。拷問だった。
 あれ、他人の経験値は? とヒゲモジャのトシキに聞いたら「ゼロ」だって。かみさんに聞いたら「ゼロ」だって。私が異常なのか。
 そういえば救急車にも私は5、6回乗っているなあ。これも異常か。分からん。

 あれ、ちょっと待て。胃カメラは「飲む」ものなのか。胃カメラをする? 胃カメラを撮る?

 あ、今、読者のアスピリンがノブ(ニコリ・企画)を訪ねてきて、ついでに私のところにも来て、お土産の「タヒチの缶ビール」をいただいたので飲む。うまい。新婚旅行でタヒチに行ってきた、とのこと。
 「あれ、学生じゃなかったっけ」
 「違いますよお」
 そうか、おめでとう。

 あれ、胃カメラの面白い話、書こうかと思っていたが、忘れてしまった。「つ多」に行って、飲みながら思い出そう。

#id09060003 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2009年06月08日 18:20

防犯カメラ。

 防犯カメラの話をする。が、前振りが長い。
 東中野の「ITO」という洋食レストランに行ったのは先週だったか。カウンターだけの小さな店で、厨房にはマスターだけ。私はマスターのことを代官さま、と呼んでいる。
 初めて行ったときに、無口で恐そうなマスターを見て、飲み屋のパー子(今はパー女史)が「悪代官みたいね」とささやいたのがピッタリで、以来、悪代官は失礼なので、代官さま。彼も呼ばれて満更でもない様子。

 代官さまは人見知りなのか、フツーの客にはテキパキと仕事をこなすだけで、一言もしゃべらない。常連が行くと、タガがはずれたようにぺちゃくちゃしゃべり出す。

 先週は1年ぶりに食べに行った。
 「いやあ、かみさんが激辛(数独)をずっとやってるよ」
 「それはすごい、ありがとう」
 そんで彼が住む三浦半島の、自家菜園の話で盛り上がった。
 「さくらんぼ泥棒が入ってさあ」と代官さま。
 「2年連続で入ったから、捕まえてやろうと思って、細い線を周りに張り巡らしてね」
 「ほほう、気合いが入ってるねえ」と私。
 「そりゃあそうだよ。あそこは一般の人は来ない土地だしさ。狙われているのって気持ち悪いじゃない」
 「おうおう、それで?」
 「それでね。夜にね、(長いので中略)、家から飛び出て行ったら、その線にひっかかって、転んで、手首を複雑骨折しちゃったの」
 「ハアッ? ギャハハハハ。バカですねえ」
 「それでね。今年は防犯カメラをドンとつけようかと。あのカッコだけのやつ」
 「うん、それがいいよ」
 つきあっていると、どこまでも向こうのペース。

 「このトースト、うまいねえ。どこのパン?」
 「あ、そこで買ってきた山崎パン」

 「このワイン、いけるね。どこの?」
 「おいしい? オレも知らないんだ」
 こんな調子だ。
 何から何までうまい。特にタルタルステーキは絶品。

 先週、「東京の路上(公共場所)15カ所に防犯カメラを設ける」とかを読んだ。
 3年前だったか、ロンドンで丸ちゃんと飲んでいて、
 「カジさん、イギリスは防犯カメラ、屋外の4600カ所にあるんだぜ」と聞いたのを思いだした。テロ対策とのこと。駐車違反にも利用しているらしい。

 去年、電車の天井(1車両に2台)に防犯カメラがあったのを見つけたのはロンドンだったか、香港だったか。うろ覚えがウソ覚えになるわたくしでした。


 今夜は久しぶりにダブルブッキングになりそう。

#id09060002 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起

2009年06月04日 19:53

アクセサリー。

 この2月から指輪をしている。同居人(次女)が指輪をつくっていたので、「私も」と言い、つくってもらったのだった。
 石膏で型をつくり、中に熱いアクリルを流し、固まったら表面を紙ヤスリで磨き、5日間くらいでできたか。
 1センチ角の透明なサイコロ状の中には、馬のフィギュアが入っている。人も乗っている。気に入っている。

 学生の頃にも指輪をしていた。
 中学のときに校庭の砂利からマーブルチョコレートのようなジュエルストーンを集めていた、その箱をおふくろが見つけ、銀の台にうめて指輪にしてくれたのだった。
 気に入っていたが、大船のアルバイト先(ブルートレインの解体、清掃作業)でバール(鉄の棒)をあやまって手に落とし、指輪がつぶれてしまった。
 保健室にいくあいだにも、指がみるみる紫色になっていき、糸鋸で指輪を切ってもらって、事なきを得た。

 ネックレスはしたことがない。
 ブレスレットは高校のときに、テニスのパートナーのニワとおそろいでしていた。
 小学生のときは馬のバッジを胸につけていたなあ。(競馬はやっていなかった)
 腕時計は小学校のときにしていた。それ以来、していない。

 なるべくハダカでいたい。身も心も。アタマもカラッポでいたい。だが指輪をしている。うーむ。

#id09060001 | 雑ネタ | posted by 鍜治真起
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