「はじめの一歩」

by 雪幸彦

クロスワードパズルの歴史始まって以来の画期的プロジェクトの始まりです。

異論もありますが、世界最初のクロスワードパズルは、1913年12月21日付けの「ニューヨーク・ワールド」紙の日曜版に掲載されたものだといわれています。日本初のクロスワードは、1925年3月1日付けの「サンデー毎日」誌に載ったもののようです。

今こそ、そうした100年近いクロスワードの歴史の新たな扉を開くときがきたのです。みなさんは、その場に立ち会える幸運な人、いえ、そうではありません、みなさんこそが扉を開ける当事者なのです。

このプロジェクトは、「みんなで」「大きな」クロスワードを創ろうというものです。「最多人数」や「最大マス数」の記録更新を目指しています。しかし、記録を伸ばすことが、主目的ではありません。みなさんといっしょに、クロスワードを「楽しく」創ることにこそ、力を注ぎたいと思っています。

これまでも、「多人数で」1つのクロスワードを創ろうという取り組みが、なかったわけではありません。しかしそれは、いわゆる「ヒント寄せ集め方式」(別名「くろいつ方式」)か、だいぶ前に「ニコリ」誌上で行った「一横連」のような「合体方式」でした。

今回、私たちがやろうとしているのは、それとは全く違います。入れる言葉を考えるのも「みんな」、カギをつけるのも「みんな」です。他の人が考えた言葉に別の人がカギをつけることもあるはずです。単にパーツを寄せ集めたものではなく、真の意味で「みんなが力を合わせて」1つの作品を完成させることを目指しています。

繰り返しになりますが、創るのはみなさんです。私たちは、そのお手伝いをするだけです。そういうと、何か難しいことをしなくちゃいけないような気がするかもしれませんが、最初は、身のまわりの情報を教えてくれるだけでオーケーです。

例えば、みなさんの行きつけのレストランとその場所(住所や最寄り駅、ビルの何階とか屋台とか……)と、おすすめのメニュー(できればその理由も)を教えてください。

お寄せいただいたビビッドな情報を、クロスワードに入れる言葉やカギの表現にとりいれることによって、けっして1人ではつくることのできない魅力あふれる作品を創ろうと考えています。

2001年12月10日