夢のクロスワード
by 光圀こうさく
日本全国クロスワード、いよいよ制作も大詰め。
各都道府県の盤面やヒントも仮完成版がぞくぞくとできあがってきました。最近は自分の担当県のチェックに加え、他の都道府県のチェックも始まっています。
いや、他の県の制作状況は漏れ聞いていましたが、実際の作品はこういうものになっているのか。みなさんが応募してくださったあの情報やこの回答はこんな具合に使われたのか。それがぞくぞくと明らかになっております。
試し解きをしながら楽しくてたまりません。いやいや、楽しんでばかりじゃいけない、厳しい目でチェックをせねば。
しかし、作品制作は苦しい道のりでありました。
「(光)さん。○○県に入ってるこの言葉なんだけど」
「ああ、それね。それ組み込むのに苦労したんだよ。文字数が多いしあんまり使わない文字とか入ってるしさあ」
「これ、なんでこの県に入ってるんですか?」
「え? だって、○○県では有名じゃないの?」
「ちがいますよ。△▽県の名物じゃないですか」
「だ、だって私の持ってるこの資料じゃ…」
とあわてて資料をひっくり返しても、そんな記述はかけらものっていない。
「勘違いですね。早く作りなおしてくださいよ、盤面」
狼狽と焦燥に絶叫しながら目を覚ます、というイヤな体験を2回ばかりしました。
あと、◇◇県を作ってる時は3晩連続でうなされたなあ。埋めても埋めてもちっとも盤面が完成しない、というマコトにマコトに辛く悲しい夢でありました。なにかのノロイとかタタリとかそういうものであろうか。ぶるぶる。獏食え獏食え。
どうもほかの担当者も似たような体験をしたらしいです。みな一様に暗い表情で詳しくは語りませんが、きっとヒドイ夢をみたに違いない。そうでなきゃおかしい。私だけなんて不公平だ。
いやあ、それにしても、あれだけ苦労した甲斐あって、今こんな面白いものが目の前にあるのだからな。もちろんチェック作業は大変だけど、それをぬぐい去るだけの面白さ。まったく、苦あれば楽ありとの言葉どおり。
ただ、今の私が恐れているのは。
はっと目を覚ましたら、実はいまだに真っ白な盤面が山と残っている、という夢オチであります。
そんな現実だったら要りませんいりません。やすらかに眠らせておいてください。
そして誰か、靴屋の小人を呼んできてください。
2002年6月28日